売買の基準について
ZOZOでの大失態
先日、ZOZO(3092)を2,750円で売却した。
ところがその後S高もあり、2/5時点で3,585円と短期間で30%弱も上昇してしまうことに。
もしホールドしていれば、これだけで今年の収支+25%を達成できていたことから、なかなかに引きずってしまう案件となってしまった。
そこで今回の事案を売買のそれぞれのタイミングから振り返り、それぞれどのような改善策があるかを自問自答していきたい。
買い
まずは買いのタイミングから見ていく。
ちなみに2回に分けて購入したが、平均取得単価は売却時とほとんど同じ2,750円である。
現時点で3,500円を超えていることから、買いのタイミングがそこまで悪かったかと言うとそうとは思わない。
強いて言えば、12/25~1/12辺りでのゴールデンクロス前後で買うことができれば、下落リスクも低く、心理的にも安心してホールドできたはずである。
これは他の銘柄にも言えることだが、昔見ていた銘柄が気がついたら急上昇しており、チャートを見てみると、5日移動平均線・25日移動平均線ともに綺麗に上方向に向かうゴールデンクロスを形成しているということが多々あった。
これは換言すれば、定期的にチャートをチェックし、移動平均線・MACDの動きを追っていれば、上昇トレンドの初期での購入が可能ということであり、リスクを抑えながらも大きなリターンを期待できるということであろう。
したがって、買いのタイミングに関してはとにかく注目する銘柄を定点観測することが重要であると言える。
また、SBI証券のアプリではチャートのトレンド、「これから上昇?」「上昇ストップ?」などといった区分ごとに銘柄を見ることができる機能もついている。
最近監視していなかったが昔の四季報で注目していた銘柄などがあれば、これをもとに再度チェックを再開しても良いかもしれない。
無理のない範囲での取引も大切
ZOZOはこれまでの投資経験の中で、最も厚めに買っていた。
ファンダメンタル・テクニカルから見ても、そこまで下落することはないだろうと踏んでいたためである。
結果論からすると、この読みは外れてはいなかったが、結局利益を享受する前に売却してしまうという憂き目にあってしまう。
厚めに買っていると、数%の動きでも資産が大きく変動する。
そのため、ボラティリティの範囲内であっても、念のため一部売却しておくかという思考になってしまったのだ。
今後更に資産を増やしていくためには慣れていかなければならないかもしれないが、少なくとも冷静でいれるようなポジションで運用することが大切であろうということを学んだ。
早く稼ぎたいという気持ちもあるが、一番大切なのは退場しないことであるということを肝に銘じて、コツコツと積み上げていくようにしたい。
(もちろん、爆発力のある銘柄をPFに加えることも大いにあるが、それは一気に儲けたいというギャンブル的なものではなく、ファンダメンタル・テクニカルから上昇余地が多分にあるという冷静な判断によってもたらされるものでなくてはならない)
売り
前章で示したように、買いのタイミングを間違えなければ、大きく損をすることはないだろう。
従って、売りのタイミング云々の前にまずはしっかりとした買いのタイミングを見極めることが先決であると思われる。
しかし、仮に自分にとってはベストなタイミングだと思っても、そのシグナルがダマシである可能性は十分にあるし、買った直後の値動きで振り落とされてしまうこともあるかもしれない。
つまりは、売りに関してもある程度の基準を持っていなければ、毎回雰囲気でトレードしてしまうことに繋がり、結果的に再現性のないものになってしまう恐れがある。
そこで最近、いくつか書籍を買って勉強したり、また過去に読んでいたものを引っ張り出して再読してみたりした。
その中にボラティリティブレイクアウトの重要性について書かれているものがあり、それをこれから判断基準の一つとしてみようと思う。
ボラティリティブレイクアウト
ボラティリティブレイクアウトとは、それまでの平均的なボラティリティを突き破る値動きが起きた時に発生するものであり、典型的なものに以下の4パターンがある。
・ヨコヨコからの急上昇
・ヨコヨコからの急下落
・上昇トレンドからの急下落
・下降トレンドからの急上昇
これらはチャートを一目見ただけで分かるものもあり、そのレベルになるとやはり強力なサインであることが多い。
また、システム的にボラティリティブレイクアウトを判断するには、ボリンジャーバンド・ATR、もしくは両方を使用することが多いようで、筆者が読んだ書籍ではATRを使用した方法が中心で解説されていた。
ATR
ATRとは、Average True Range の略であり、その銘柄の平均的な値動きを示す指標である。
まずTrue Range(以下TR)というのは、
・当日高値と当日安値の差分
・前日終値と当日高値の差分
・前日終値と当日安値の差分
のうち、最も値が大きくなるもののことを指す。
そして、このTRを任意の期間で平均化したものがATRである。
実際の判断はどのように行うのか
ボラティリティブレイクアウトとは、それまでの平均的な値動きを突き破るほどの強い動きのことである。
つまり、ATRの何倍かの動きが発生した時にボラティリティブレイクアウトとして判断するようだ。
ちなみに、ATRを何日間の平均とするかの日数や、ATRの何倍からをボラティリティブレイクアウトとして見なすかは、それぞれの銘柄の特性やフェーズによって、大きく異なるため、完全無欠な判断基準を持つことは難しい。
あくまで、トレンド転換を判断するための一ツールであって、これだけで全てを決められるものではないのだ。
ただ、明確な売却基準がない自分にとっては、一つシステム的な要素を保持しておくことで、理性的なトレードができるようになるという可能性もある。
そのため、試験的ではあるがこれからはボラティリティブレイクアウトも一つの基準として見ていこうと思う。
これは、ZOZOの日足である。
ATRの期間は10日、ボラティリティブレイクアウトは3倍からとしている。
こうしてみると、自分が売却した下落レベルではまだまだボラティリティの範囲内であることが見て取れる。
今後の売買基準について
基本的には移動平均線を中心に用いるが、以下の観点から複合的に判断する。
・MACD
・出来高
全てのサインが反応したら強力なサイン、一部が反応した場合は全体の地合いを見て判断するといったように、全体を見た上で個別株の判断をできると良いだろう。
また、先ほど読んだ本の中には、敏感に反応するボラティリティブレイクアウトと、鈍感に反応するボラティリティブレイクアウトの2種類を併用して売買を判断しても良いとあったため、地合いがシビアなタイミングではやや厳しめに見ていくなど臨機応変に対応できるようにもなりたい。
四季報で良いと思いマークしている銘柄の中には急上昇しているものあるが、それをまだ自分の利益には繋げられていないことが多い。
銘柄を見つけ出す能力に関しても、これからさらに勉強していく必要があるが、まずは既に目をつけている銘柄から大きく上がるものを見逃さずにしっかりと自分の利益にしていきたい。