孔明を志す

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電車広告

見渡す限りの脱毛広告

休日のお昼頃に東京メトロに乗ったのだが、周りを見渡して異変に気づく。

吊り革広告や窓上広告が全て脱毛関連、しかも女性向けの広告で埋め尽くされていたのである。

週刊誌や、ビジネス本の広告はよく見るし、脱毛の広告もよく見るのだが、ここまで一つの広告に統一されていたのは初めて見た。

電車広告と言えば、そこまで安価ではないイメージだし、一両丸ごと自社広告を掲載するには相当な金額がかかるだろう。

相当な効果が期待されないとこんなことしないよな、と思いながら電車を降りると、なるほどやはり、この車両は女性専用車両だったのである。

 

女性専用車両の広告単価

基本的には電車広告ではセグメント分けは難しいと思う。

ざっくり社会人が多いから、ビジネス系の広告が多いかなくらいの印象である。

一方で女性専用車両は、「女性」というセグメントを明確に分けることができる。

また、女性専用車両が使える時間帯は一般的に出勤のタイミングであり、女性から更に「働いている女性」というセグメント分けをすることも可能だ。

WEB広告から見るとこれでもかなりざっくりした粒度だが、電車広告ではかなり有効に寄与するのだろう。

 

となると、通常の広告よりも出稿単価が高いのでは?という疑問が生まれる。

当然、誰でも乗れる車両と、ある時間帯は女性しか乗らない車両を比較すると、女性向けの広告を掲載したい企業は後者に掲載したいはずだ。

つまり、その分、通常の単価よりも上乗せされているに違いないのである。

 

実際に調べてみた

電車広告の検索サイト「電車広告ドットコム(https://www.densha-koukoku.com/)」というサイトがあるようで、これを参照してみた。

いくつかプランがあるようだが、自分が実際に見た東京メトロを例にして、女性専用車両と普通車両の広告をそれぞれ比較してみよう。

 

女性専用車両

普通車両

掲載期間や媒体のサイズは同じであり、掲載される路線は女性専用車両広告の方は限られた路線になっている。

また、掲載枚数であるが、そもそも女性専用車両は限られた車両数なことから、通常広告が3,300枚のところ、300枚と少ないプラン設定になっているようだ。

気になる金額であるが、

 

女性専用車両:¥720,000÷300枚=¥2,400/枚

通常車両:¥5,448,000÷3,300枚≒¥1,650/枚

 

といったように、かなりの差分が見て取れる結果になった。

やはり、女性向け広告を掲載したい事業者からすると確実にターゲットに見てもらえるような場所を選びたく、そこが掲載費用の差分に繋がっているのだろう。

女性専用車両の裏側

女性専用車両には痴漢を防ぐという目的があると思うが、実は特定の属性を有した集団を一つの車両にまとめることにより広告としての効果を高め、収益を拡大するとい隠れた目的があるのかもしれない。

痴漢防止ということを唱えれば、誰も反対する人はいない。

その裏側で実はひっそりと広告収入を拡大させていたのだとしたら、それは非常に優れた戦略だと言えるだろう。

おわりに

偶然見かけた広告から色々な思考を巡らすことができるのはとても面白い。

街中で見かける広告や、テレビ広告、WEB広告など、全ての広告には意図があるので、気になった広告を見かけたら、その裏側を考えるようになれば、世の中がまた違った角度で見えるようになるかもしれない。